日本人女性の乳がん患者数(女性のがんの第一位)と死亡率は年々増加傾向にあり、旧厚生省から「平成12年4月より、有効な乳がん検診のためのマンモグラフィ(乳房X線撮影)の併用を・・・」という勧告がでました。(老健第65号) 欧米ではマンモグラフィによる乳がん検診は、視触診のみの検診に比べて、約3倍の早期乳がんが発見され、死亡を減少させる効果があることが報告されています。早期で発見されると、手術は小さくてすみ、画質の良いマンモグラム(乳房X線写真)とマンモグラムを正確に読む力が必要です。
マンモグラフィ検診で、正しい診断を行うためには、 @施設・機器の精度 A技師の撮影技術 B医師の読影能力 という3つが求められます。日本乳がん検診学会など6学会で組織した「マンモグラフィ検診精度管理中央委員会」では、これ等の制度管理において、一定以上の成績を上げた医師・技師・施設に対して認定を行っています。 当院は、医師・技師・施設の3つすべての認定を受けた医療機関です。当院では制度の高い検診を行うために有資格医師・放射線技師が検査・読影・診断にあたっています。
乳がんは若い年齢で発症するのが特徴で、30歳代から増えはじめ、40歳以上になると急カーブで増加しています。 最近では、20歳代の女性にも乳がんがみつかるケースが増えており、「乳がん予防は20歳代から。『若いから大丈夫』という過信は禁物」と専門家は呼びかけています。
乳房のX線写真です。従来は乳がんの精密検査の1方法として用いられてきましたが、発見率を高めるため、検診にも用いるようになってきました。乳房は柔らかい組織なので、専用のレントゲン装置で乳房をはさんで写真を撮ります。
1回の検診で乳房が受ける放射線量は、東京からニューヨークへ飛行機で行くときに浴びる自然放射線の量のほぼ半分といわれています。つまり、マンモグラフィ撮影に伴う危険はほとんどないか、あってもごく小さいものということができます。 また、マンモグラフィで得られる利益と被曝による不利益とを比較しますと、50歳の女性が2年に1回検診を受けた場合、検診による利益が被曝によるリスクより約100倍大きいことがわかっています。
検診で「精密検査が必要」となる人は約5%です。そして、精密検査の受診者のうち約2%が乳がんと診断されます。つまり、受診者の1000人に1人の割合(全体の0.1%)で乳がんが見つかっているということです。また、もし乳がんが見つかったとしても、マンモグラフィによる検診での発見は早期がんの可能性が高くなります。